自宅の壁にアスベストが含まれているかどうか、そのリスクを把握し適切な対策を講じることは非常に重要です。
アスベストは健康に深刻な影響を与える可能性があるため、その存在を確認し、必要な対策を取ることが求められます。
本記事では、自宅の壁にアスベストが含まれているか確認する方法と、含有している場合の具体的な対策について詳しく解説します。

 

□自宅の壁にアスベストが含まれているか確認する方法

 

自宅の壁にアスベストが含まれているかどうかを確認する方法はいくつかあります。
以下では、建設時期や使用された材料の確認方法を中心に解説します。

 

1:建設時期で見分ける

アスベストの使用は1975年に初めて禁止され、その後段階的に規制が強化されました。
1975年以前に建設された住宅はアスベストを含んでいる可能性が非常に高く、1976年から1987年に建設された住宅もアスベスト使用のリスクが高いとされています。
1988年から2006年に建設された住宅は、特定の条件下でアスベストが使用されている可能性がありますが、2007年以降に建設された住宅はアスベスト使用のリスクはほとんどありません。

・1975年以前：アスベスト使用のリスクが非常に高い
・1976〜1987年：アスベスト使用のリスクが高い
・1988〜2006年：アスベスト使用のリスクがある
・2007年以降：アスベスト使用のリスクはほとんどない

 

2:使われた材料で見分ける

アスベストは主に屋根材として使用されていました。
以下の素材は特にアスベストを含んでいる可能性が高いです。

・スレート
・セメント瓦
・粘土製以外の瓦

これらの素材が2004年以前に使用された場合、アスベストが含まれている可能性が高いです。
一方、2005年以降の素材であれば、アスベストの含有リスクはほとんどありません。

 

3:専門会社に調査を依頼する

自宅の壁にアスベストが含まれているかどうかを確実に判断するためには、専門会社に調査を依頼することが最も確実です。
目視ではアスベストの有無を確認することは困難であり、専門的な知識と設備が必要です。
アスベスト除去作業も同様に専門会社に依頼する必要があります。

 

 

□アスベスト含有壁のリスクとその対策

 

アスベストを含む壁は、経年劣化や工事によって飛散するリスクがあり、健康被害を引き起こす可能性があります。
以下では、アスベスト含有壁の健康リスクとその具体的な対策について説明します。

 

＊アスベストの健康リスク

アスベストを含む壁は、次のような状況でアスベスト繊維が飛散し、健康被害を引き起こす可能性があります。

・経年劣化でアスベストが露出
・アスベスト含有壁を高圧洗浄した場合
・リフォームでアスベスト含有建材を切断や穴あけした場合
・解体作業でアスベストが飛散した場合

アスベスト繊維を吸入すると、肺がんや中皮腫などの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
そのため、アスベストが含まれている可能性がある場合は、早急に対策を講じる必要があります。

 

＊建築基準法の規制内容

建築基準法では、次の2つのアスベスト含有建材が除去の対象となっています。

・吹き付けアスベスト
・石綿含有吹き付けロックウール

これらの建材が使用されている場合、除去が義務付けられています。
ただし、一般的な木造住宅ではあまり使用されていないため、ほとんどの住宅では心配ありません。
しかし、増改築や大規模修繕を行う際には、これらの建材の除去が必要です。

 

＊具体的な対策方法

アスベスト含有建材の飛散防止対策として、以下の3つの工法があります。

1:除去工法（リムーバル工法）

アスベスト含有建材を取り除く方法です。
最も確実な方法ですが、費用がかかります。

2:囲い込み工法（カバーリング工法）

アスベスト含有建材を板状材料で覆い隠す方法です。
中程度の費用で済みます。

3:封じ込め工法（エンカプスレーション工法）

アスベスト層に薬剤を含浸させ、固着・固定化する方法です。
最も費用がかかりません。

一般的な住宅では、安価で済む封じ込め工法がよく用いられます。
しかし、劣化が進んでいる場合は、封じ込め工法の効果が低下するため、定期的なメンテナンスが必要です。

 

 

□まとめ

 

自宅の壁にアスベストが含まれているかどうかを確認することは、家族の健康を守るために非常に重要です。
建設時期や使用された材料を確認し、必要に応じて専門会社に調査を依頼しましょう。
また、アスベストを含む壁は経年劣化や工事によって飛散するリスクがあるため、適切な対策を講じることが求められます。
除去、囲い込み、封じ込めといった方法を検討し、家族の安全を確保しましょう。