トタン屋根は、その耐久性とコストパフォーマンスから多くの住宅で採用されていますが、年月とともに避けられないのがサビの発生です。
屋根のサビは、見た目の問題だけでなく、雨漏りや建材の劣化を進行させる深刻なサインとなり得ます。
しかし、サビの進行度合いや範囲に応じて、適切な対処法が存在します。
この記事では、トタン屋根に発生したサビに対する具体的な解決策から、将来的なトラブルを防ぐための予防策、そしてそれらにかかる費用まで、網羅的に解説していきます。
大切な住まいを守るための知識を深めましょう。
トタン屋根のサビの対処法
軽度のサビは塗装で対応する
トタン屋根のサビが比較的軽微で、金属素地が露出している程度、あるいは表面に赤茶色のサビが薄く広がっている段階であれば、専門会社による塗装工事で対応することが可能です。
この場合、まず最初に、電動工具やワイヤーブラシ、サンドペーパーなどを用いて、浮いているサビや旧塗膜を徹底的に除去する「ケレン作業」を行います。
サビの除去が不十分だと、その下から再びサビが発生してしまうため、この工程は非常に重要です。
ケレン作業によって素地が露出したら、サビの進行を抑制し、新たなサビの発生を防ぐ効果のある「錆止めプライマー(下塗り塗料)」を丁寧に塗布します。
プライマーが十分に乾燥した後、耐久性の高い屋根用塗料を用いて「中塗り」「上塗り」と複数回塗装を重ねることで、美観を取り戻すだけでなく、紫外線や雨風から屋根材を保護する強固な塗膜を形成します。
部分的なサビは板金修理で補修する
サビが進行し、トタン板に穴が開いてしまったり、腐食によって部分的に強度が著しく低下している場合には、塗装だけでは根本的な解決に至らないため、板金修理による補修が必要となります。
軽微な穴であれば、その箇所を覆うように同質のトタン板や近似色の金属板を切り出して「パッチ」として当て、リベットやコーキング材で固定する方法が取られます。
より広範囲に腐食が及んでいる箇所や、状態が悪い部分については、既存の傷んだトタン板を部分的に撤去し、新しいトタン板や、より耐久性の高いガルバリウム鋼板などの金属屋根材に張り替える工法が選択されることもあります。
これらの修理は、雨漏りを確実に防ぎ、屋根の構造的な安定性を回復させるために不可欠な処置です。
広範囲のサビは葺き替えを検討する
トタン屋根のサビが広範囲に及び、下地材(野地板など)にまで腐食が進行している、あるいは屋根材自体の歪みが大きいなどの状態が見られる場合は、部分的な補修では対応が難しく、経済的にも構造的にも、屋根全体の「葺き替え」を検討すべき段階と言えます。
葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去し、防水シート(ルーフィング)を新たに施工した上で、新しい屋根材(ガルバリウム鋼板、アスファルトシングル、瓦など)を葺き直す工事です。
この機会に、より軽量で耐久性や断熱性に優れた素材を選択することで、建物の性能を向上させ、長期的なメンテナンスコストを削減することも期待できます。
ただし、葺き替えは比較的大規模な工事となるため、専門会社と十分に相談し、最適な屋根材を選定することが重要です。

トタン屋根のサビ防止とメンテナンス方法は?
定期的な点検と清掃でサビの兆候を見つける
トタン屋根のサビを未然に防ぎ、早期発見・早期対処につなげるためには、定期的な点検と清掃が欠かせません。
一般的に、年に1~2回程度の点検が推奨されます。
点検時には、屋根全体を目視で確認し、サビの発生箇所、塗膜の剥がれや膨れ、ひび割れ、コーキング部分の劣化などをチェックします。
また、屋根に溜まった落ち葉や土砂、鳥の巣などが原因で雨水が滞留し、サビを誘発することもあるため、雨樋の詰まりがないか確認し、必要であれば清掃を行います。
屋根材表面の汚れもサビの原因となるため、定期的に水洗い(高圧洗浄機を使用する場合は、屋根材を傷つけないよう注意が必要)や、柔らかいブラシを用いた清掃を行うことで、屋根材の劣化を遅らせることができます。
適切な時期に塗装で保護膜を施す
トタン屋根の塗装は、単なる美観の向上だけでなく、サビの発生を防ぎ、屋根材そのものを保護するための最も効果的なメンテナンス方法の一つです。
一般的に、トタン屋根の塗装時期の目安は、前回の塗装から10~15年程度とされていますが、屋根の状況によって異なります。
外壁を触った際に白い粉が付着する「チョーキング現象」が見られたり、塗膜の光沢が失われ、hairlinecrack(微細なひび割れ)が発生し始めたら、塗り替えのサインと考えられます。
塗装工事では、まず旧塗膜やサビを丁寧に除去し、下地調整を行った上で、錆止め効果のある下塗り塗料を塗布します。
その後、耐久性や耐候性に優れた中塗り・上塗り塗料を重ね塗りすることで、厚く強固な保護膜を形成し、長期にわたってサビや劣化から屋根を守ります。
メンテナンスの費用相場を知る
トタン屋根の修理やメンテナンスにかかる費用は、工事の内容や屋根の面積、使用する材料、依頼する会社によって大きく変動します。
軽度のサビに対する塗装工事の場合、足場設置費用を含めて一般的に30万円~60万円程度が相場とされています。
部分的な板金修理は、損傷箇所や範囲にもよりますが、数万円から十数万円程度で収まる場合もあります。
一方、屋根全体の葺き替え工事は、既存屋根材の撤去・処分費用、防水シートの施工、新しい屋根材の材料費・施工費などが含まれるため、100万円~200万円以上となることも珍しくありません。

まとめ
トタン屋根のサビは、その進行度合いに応じて塗装による補修、部分的な板金修理、あるいは屋根全体の葺き替えといった適切な対処が必要です。
また、定期的な点検と清掃、そして適切な時期に行う塗装メンテナンスは、サビの発生を未然に防ぎ、屋根材の寿命を延ばす上で極めて重要となります。
これらの修理やメンテナンスには費用がかかりますが、建物の資産価値を守り、安心して暮らすためには欠かせない投資と言えるでしょう。
早期発見・早期対応を心がけ、大切な住まいを長持ちさせるための対策を講じることが肝要です。
当社は一般住宅からマンション、工場・プラントまで、幅広い現場に対応できるのが強みです。
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